
- 従業員数が5人未満の事業所なので社会保険に加入しなくてもよいですか?
社会保険に加入する事業所には、当事者の意思によらず必ず加入しなければならない強制適用事業所と、強制ではないが希望することにより加入できる任意包括適用事業所と、二つあります。
- この別は事業所の業種や規模(代表者・役員等含む)などによって決まり、以下の表のとおりになります。
業種等
事業所規模 |
適用業種 |
非適用業種 |
| 製造業、土木建築業、販売・卸業金融保険業、不動産業 等 |
農林水産業、飲食・サービス業 等 |
| 法人事業 |
個人事業 |
法人事業 |
個人事業 |
| 5人以上 |
○ |
○ |
○ |
△ |
| 1〜4人 |
○ |
△ |
○ |
△ |
- ○:強制適用事業所 △:任意包括適用事業所
法人事業所は業種・規模によらず、すべて強制適用事業所となっていますので、社会保険に未加入の事業所は、社会保険への加入手続きが必要となります。
- 社会保険に加入する事業所の単位は、一社・一団体につき一つではなく、本社・本店等とは別の場所に支店・営業所等が独立して設置されている場合は、原則それぞれ別個に加入することとなります。
- パートは社会保険に加入しなくてもよいですか?
社会保険の適用事業所に雇用される者(代表者・役員等含む)は、国籍や報酬額の多少によらず、原則全員被保険者として加入しなければなりません。
短時間労働者(パート、アルバイト等)につきましては、働いている時間(時間・日数等)が、通常の就業者と比べて3/4以上のときは加入しなければなりません。
- 各人の報酬等級はどのようにして決定されるのですか?
被保険者各人の受ける報酬額に応じて報酬等級が決定され、これに基づき給付額や保険料額が決まります。
社会保険加入時は、その者の報酬額(交通費等を含む)を申し出て、その額を等級表にあてはめて決められます(取得時決定)。
昇給や降給等の固定的賃金に変更があり、改定の条件を満たす場合には、その変更額に応じて新たな等級が決定されます(随時改定)。
また、報酬額に変更がなくても年に一回は算定基礎届を提出することにより、全員について等級を決定し直すことになります(定時決定)。
- 社会保険料額はどのようにして決定されるのですか?
社会保険料は、その方の報酬等級に各保険料率を掛けた額となります。
- 保険料は事業主と被保険者が折半で負担します。
政府管掌の場合の保険料率は以下のとおりです(平成19年9月〜)。
-
| |
保険料率 |
| 健康保険 |
82/ 1,000 |
| 介護保険 |
12.3/ 1,000 |
| 厚生年金保険 |
149.96/ 1,000 |
健康保険組合に加入されている事業所については、料率及び負担割合が政府管掌保険とは異なります。
- また、厚生年金基金に加入されている事業所は、厚生年金保険料と併せて厚生年金基金掛金を負担いたしますので、また別に厚生年金保険料率及び厚生年金基金掛金率が設定されております。
- 賞与にかかる社会保険料額はどのように決定されるのですか?
被保険者に賞与を支給した場合、これにも毎月の賃金と同様に社会保険料をご負担いただくことになります。
- この賞与にかかる社会保険料の額は、支給した賞与額に毎月の社会保険料と同じ保険料率を掛けた額となります。ただし、これには上限額が決まっており、支給した賞与額がその上限額を超える場合には、この上限額に保険料率を掛けた額を保険料額とします。その上限額は、健康保険で
年間540万円、厚生年金保険で支給毎に150万円と設定されております。
- 介護保険料はいつから控除を開始していつまで控除し続けるのですか?
介護保険は40歳以上の方が被保険者となり、そのうち40歳以上65歳未満の医療保険被保険者については、給与より健康保険料・厚生年金保険料と併せて控除していただきます。
- 被保険者の40歳到達日(40歳誕生日の前日)が属する月分の保険料から控除を開始し、65歳到達日(65歳誕生日の前日)が属する月分で控除は終了となります。
- 採用者・退職者の社会保険料控除はどうすればよいのですか?
ご採用の場合、採用日の属する月の分から保険料は発生します。但し、この保険料の納付期限はその翌月の末日です。ですので、採用日の属する月の翌月に支払われる給与から控除を開始します。
ご退職の場合には、社会保険資格喪失日(社会保険を脱退する日=退職日の翌日)の属する月の前月分まで保険料をご負担いただくことになります。
例えば、12/31退職(喪失日: 1/1)の場合は、12月分まで保険料が発生します。
※12月に支給する給与から控除するのは11月分の保険料ですから、12月分の被保険者
負担分の保険料は別途徴収する必要があります。
このとき、12月に支給する給与から11月分の保険料とあわせて控除しても差し支えあり
ません。
- 被扶養者になるにはどのような要件がありますか?
一定の条件を満たす被保険者の家族は健康保険の被扶養者になることができ、被保険者の保険証で診療を受けることができます。
被扶養者になるための要件には @生計/居住 A続柄 B収入 があります。
-
| 生計 / 居住 |
続 柄 |
被扶養者の年収 |
| 被保険者により生計維持されている |
配偶者(事実婚・内縁関係含む) |
A. 130万円未満
※60歳以上は180万円
B.被保険者年収の1/2
未満 (同居の場合)
C.被保険者仕送り額よ
りも少ないこと
(別居の場合)
|
| 直系尊属(父母・祖父母) |
| 子・孫 |
| 弟妹 |
| 被保険者により生計維持されており、かつ被保険者と同居している |
兄姉 |
| 三親等以内の親族(従兄弟等) |
| 内縁関係の配偶者の父母・子 |
- 総報酬制とはどのような制度ですか?
以前の社会保険制度では賞与等を考慮に入れない計算方法をとっており、月額給与を主に基準として負担の割合を決められていました。
- また、受給年金額の計算においても賞与等は反映させておりませんでした。
この場合、年収にしめる賞与等の比率が少ない方ほど保険料の負担が多くなり、一方で受給年金額も少なくなってしまう、という不公平が生じておりました。
これを是正するため、平成15年度より保険料負担及び受給年金額の計算において賞与等も月額給与と同様に扱う形になりました。
この制度を「総報酬制」といいます。
これに伴い、月額給与の保険料率が下げられる一方で賞与等にも同様の料率を適用することとなりました。
- また、受給年金額の算定の際には今まで反映されなかった賞与も考慮に含めて算出する形に改定されました。
- 採用時にどのような手続が必要ですか?
原則的に社会保険の適用事業所で雇用される方は、社会保険に加入することとなります。
社会保険に加入する場合、「被保険者資格取得届」を社会保険事務所に提出します。
- その際、その方の年金手帳を添付します。また、保険加入と同時に被扶養者の認定を受ける場合には、「被扶養者(異動)届」も同時に提出します。
- この時、被扶養者となる方の収入を確認するための証明書類、高校生以上の学生を被扶養者にする場合は、在学証明書などを添付します。この被扶養者届の添付書類につきましては、その方の状況によって異なってきます。
- 退職時どのような手続が必要ですか?
被保険者が退職する際には、同時に社会保険も脱退することになります。
「被保険者資格喪失届」を社会保険事務所に提出します。この喪失届に記入する喪失日は、退職日翌日の日付となります。
- 提出の時には、喪失届と併せて、交付済の保険証(被扶養者の保険証も含めて)を返納します。この保険証を紛失した場合には「被保険者証滅失届」を、事業主が本人に請求しても保険証を回収できない場合は「被保険者証回収不能届」をこれに添付します。
- 賞与を支給した場合、どのような手続が必要ですか?
賞与を支給した時には、「賞与支払届」を提出して各人にどれだけの額を支給したかを届け出る必要があります。
- 「賞与支払届」は「賞与支払届総括表」と併せて社会保険事務所に提出します。賞与を支給しない時でも、この「賞与支払届総括表」だけは提出しなければなりませんので、ご注意下さい。
- 住所を変更した場合、どのような手続が必要ですか?
住所が変更になる場合には「住所変更届」を提出します。
- 保険証には住所記入欄があり、都道府県によっては保険証を添付する場合があります。
また、住所変更に伴い通勤交通費が変動して標準報酬月額の改定が必要な場合は、「月額変更届」を提出して標準報酬月額の「随時改定」を行います。
- 婚姻した場合、どのような手続が必要ですか?
婚姻に伴い氏名が変更になる場合には「氏名変更届」の提出が必要です。
- この時、併せて保険証と年金手帳の氏名も変更するので添付して提出します。また、婚姻と同時に住所が変更になる場合は「住所変更届」を提出します。
氏名も住所も変更がない場合は社会保険において手続は必要ありません。
但し、配偶者になる方が「被扶養者の要件」を満たす場合は「被扶養者(異動)届」および「国民年金・第3号被保険者資格取得届」を提出します。
- 出産・育児・子の養育にかかる手続にはどのようなものがありますか?
@出産したとき
- 生まれた子を被扶養者とする場合には「被扶養者(異動)届」を提出します。この時、被扶養者になる日はこの子の生年月日と同じ年月日となります。
被保険者あるいは被扶養者が出産した場合には「出産育児一時金」を請求することができます。
- 専用の請求書に記入の上、医師の証明を受けて社会保険事務所に提出します。受給額は一児につき35万円です。
A育児休業を取得するとき
- 労働基準法上の産後休業終了後、引き続いて育児のために休業する被保険者については出産した子が最長で3歳になるまで、健康保険料・厚生年金保険料を本人負担分及び事業主負担分を含めて免除を受けることができます。
これは自動的に適用を受けるのではなく、「育児休業等取得者申出書」を社会保険事務所に提出する必要があります。
B育児休業終了したとき
職場復帰後、報酬月額に変動がある場合には標準報酬月額の改定を行うことができますので「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出してください。
C子を養育するとき
子の養育のために短時間勤務等を行い標準報酬月額が下がる場合には、保険料は養育開始後の標準報酬月額に基づき算出し、年金額の計算は養育前の標準報酬月額(下がる前の標準報酬月額)を用いて算出する特例措置を受けることができます。
この特例措置を受けるには、「養育期間標準報酬月額特例申出書」を社会保険事務所に提出する必要があります。
尚、この特例は厚生年金保険のみで健康保険には適用されません。
- 私傷病により休業した場合、保険給付は受けられますか?
業務外での傷病が原因で4日以上労務に就くことができず、休業して報酬を得られなかった被保険者は「傷病手当金」の請求ができます。
- 傷病手当金請求書に休業した期間、その期間中の報酬の支払状況等を記入し、労務不能であった旨の医師の証明を受けた上で社会保険事務所に提出します。
- 提出時には休業期間にかかる賃金台帳と出勤簿を添付します。
受給の対象となるのは被保険者が療養のため労務に就くことができなくなった日から起算して、連続して3日以上勤務を休んだ場合に、その第4日目からとなります。
- 受給額は休業一日当たり、その方の標準報酬日額の2/3相当分です。
- 尚、当該休業期間に対して報酬が支払われている場合には受給できません。
- 従業員、あるいはその被扶養者が死亡した時にどのような手続が必要ですか?
被保険者が死亡し、その被保険者の家族が埋葬を行った場合は「埋葬料」を請求します。
- 受給額は5万円で、その家族に支払われます。
埋葬を家族以外の方が行った場合は「埋葬費」を請求します。
- 受給額は埋葬料の範囲内でその埋葬にかかった実費を支給します。
また、被扶養者が死亡した場合は「家族埋葬料」を請求します。これは被保険者に5万円支給されます。
これらの手続としては「埋葬料(費)請求書」を提出することとなります。
- その際、埋葬料・家族埋葬料ならその方の死亡を確認できる書類を、また、埋葬費なら更に埋葬費用の領収書等を添付します。
- この請求と併せて、「被保険者喪失届」「被扶養者(異動)届」を提出して社会保険から脱退する手続も同時に行います。
- 賃金額の変更があった時にどのような手続が必要ですか?
昇給・降給等により被保険者の報酬額に著しい変動があった場合、設定されている等級を変動後の報酬額に合わせるために等級の改定が必要となります。
- これを「随時改定」と言います。この随時改定に該当する要件は、以下の三つです。
@固定的賃金の変動(昇給や降給、交通費等の手当支給額の変更等)や
- 給与体系の変更(日給制が月給制に変更、新たな手当の新設等)があった。
- ※残業代等の非固定的な賃金の変動のみではこれに該当しません。
- A変動月以降継続した3ヶ月間のいずれの月も支払基礎日数が20日以上ある。
- ※支払基礎日数=賃金計算の基礎となる日数。月給制の場合日曜や有給休暇も含む。
- BAでの3ヶ月間の報酬の平均額が、現在の等級と比べて2等級以上の差がある。
この三要件にすべて該当する場合には、随時改定を行うこととなります。
手続としては、報酬月額変更届にこの3ヶ月間の報酬額を記載して、社会保険事務所に提出します。随時改定をした場合、等級が改定されるのは、@の変更があったつきから
4ヶ月目(4月に変動があれば、改定は7月から)から等級が改定となります。
- 国民年金・第3号被保険者となるにはどのような手続が必要ですか?
国民年金の第3号被保険者は、現在、厚生年金保険などの被用者年金に加入している被保険者の被扶養配偶者(被保険者の被扶養者となっている配偶者)で、20歳以上60歳未満の方がこれに該当します。
- 第3号被保険者に該当する期間は、受給年金額の算定の際に国民年金の保険料納付済みの期間として計算されます。
但し、これは該当していれば自動的に適用されるものではなく、国民年金・第3号被保険者資格取得届を提出することによりはじめて適用を受けます。
第3号被保険者取得届は平成14年度より被保険者が勤める事業所を通じて被保険者が勤める事業所を管轄する社会保険事務所へ提出することになっています。
- 第3号被保険者に該当する方が被扶養者として加入する際に被扶養者(異動)届と併せて提出します。そのとき、第3号被保険者となる方の年金手帳を添付します。
- 退職後の健康保険にはどのような制度がありますか?
退職と同時に、健康保険から脱退となりますが、国民皆保険の見地からその後も何らかの医療保険に加入することとなります。これには以下の三通りが考えられ、いずれかの選択となります。
@国民健康保険に加入する
- 現在お住まいの自治体の国民健康保険に加入できます。加入後の国民健康保険料(税)の計算方法は各自治体により異なりますが、主にその方の過去の収入額等に基づいて算出されるのが通常です。
- また、給付の内容も各自治体で異なります。手続は各市区町村の役場にて行います。その際、退職日を証明する書類を求められる場合がありますが、その際は雇用保険の離職票を持参する、あるいは健康保険被保険者資格喪失届の写しを事業所から入手してその代わりとする等の方法があります。
A健康保険の被扶養者になる
- 退職後、医療保険に加入している家族がいる場合には、その方の被扶養者になれる場合があります。
- 但し、続柄や収入の条件がありますので、この条件に該当しない方は被扶養者になれません。また、退職後に雇用保険の受給をする場合、その受給をしている間は原則として被扶養者にはなれません(離職理由による支給制限期間は加入可)。
B健康保険任意継続被保険者になる
- 被保険者資格を喪失した後も今までの医療保険に加入し続ける制度です。加入の条件として、資格喪失日(退職日の翌日)前に被保険者として健康保険に加入していた期間が継続して2
ヶ月以上あることが必要です。
- 給付の内容は通常の被保険者とほぼ同様ですが、資格喪失日から2年を超えて加入し続けることはできません。
- また、一度加入すると国民健康保険に加入する、あるいは家族の被扶養者となる等の理由で脱退することはできません。さらに、保険料を納付期限(毎月10日)までに保険料を納付しないとその時点で資格喪失となります。
- 保険料は資格喪失時の等級に応じて決定されます(但し上限あり)。
手続は、資格喪失日から20日以内に住所を管轄する社会保険事務所に任意継続被保険者資格取得申請書を提出した上で、保険料相当額を納付します。同時に被扶養者を加入させる際には被扶養者(異動)届を併せて提出します。
- 手続に際して添付する確認書類にはどのようなものがありますか?
届出内容を証明するために、各手続の際に添付書類が必要になります。
被扶養者加入のため被扶養者(異動)届提出の際には、その方が被扶養者加入の条件に合っているかを確認するため、主に収入額を証明する書類が必要になります。代表的なものとしては各自治体が発行する課税・非課税証明書、年金受給者の方の場合は年金支払通知書の写しなどです。高校生以上の学生の場合は在学証明書が必要になる場合があります。
また、報酬月額変更届のような等級に関する届出や傷病手当金の請求のような報酬の支払商況が給付の可否にかかわる届出などには、賃金台帳などの添付が必要となる可能性が高いと考えられます。それ以外でも各ケースに応じて社会保険事務所より添付書類を求められる場合があります。